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2018年つぶやきコラム

七草

七草

1月7日「ななくさ」

   

暦にはありませんが、古くからの慣わしとして、七草には邪気払いの意味があり、無病息災を祈って七草粥にして食べる、又は年末から年初に酷使したおなかをいたわるという意味も加わって、年中行事のように溶け込んでいるのではないでしょうか。

年初に雪の間から芽を出した草を摘む「若菜摘み」という風習が古代よりあるそうで、百人一首にも詠まれています。

君がため 春の野に出でて 若菜摘む  我が衣手に 雪は降りつつ              光孝天皇

この風習が七草の原点とも言われているそうです。青物の少ない冬にはやっと芽を出した若菜は、栄養面からいってもご馳走だったのでしょう。こういう風習として伝わるご先祖たちの知恵を受け継いでいる事に、なんだか嬉しいような誇らしいようなありがたい気持ちになります。

あらあら、新年のごあいさつがまだでした。改めまして

七草

あけましておめでとうございます。

お天気も良く穏やかな三が日でした。ゆったりとだったり、賑やかに又は厳かにだったり、清々しくだったりと様々に新しい年をお迎えになったことと存じます。

今年もみなさまお健やかに日々楽しく過ごされることをお祈りいたします。

また、変わらぬご厚情のほどよろしくお願い申し上げます。

いつもは「小寒」の5日でつぶやき更新するのですが、

1月5日「しょうかん」

太陽視黄経 285 度

冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也(暦便覧)

この日は寒の入り、これから節分までの期間が「寒」である。寒さはこれからが本番。池や川の氷も厚みをます頃である。

二十四節季は細かな計算で日程が前後します。その計算をしてくれるサイトがあってその結果を使わせていただいているのですが、表を見間違って今年は6日と思い込んでおりました。気がついたものの年初から一日遅れも何だなぁと、七草にかけての投稿です。

七草

                    写真は1月3日の立待月

小寒は寒の入りとも重なりこれからが一番寒い季節となります。

かたや少し力強さを取り戻してきたお日様の光など春に向かっていく兆しも顔を現しています。だからこそ厳しい寒さも超えてゆけると言うものでしょう。

とはいえ、「低温は万病のもと」という事はすでに市民権を得て常識になっているでしょうか? 

毎年この機会に書かせていただいていることなのですが、かねがね仕事を通して環境負荷軽減のことや、省エネルギー、快適な住まいについて発信しております。しかしそれやこれやのまえにまずは健康を害さない住まいである事、まして命を奪う住まいでないことが大前提なのです。

「健康のため暖かい家は世界の常識です」と慶応大学の伊香賀教授が発信しておられます。

我慢する省エネでは、命と健康を守る事にはならないでしょう。奇しくも我慢して出来なくはない凍死するほどではない寒さの中で暮らしてきた歴史の中で、家中を暖める考えなど発想できなかったのでしょうか?発想はあっても実現できる人は一握りです。機械や燃料に大きな投資がいるからというのが大きな理由だったかもしれません。

しかし随分すすんだ世の中です、小さな投資と光熱費だけで家中が一様に暖かいという家が手に届くところにあります。これこそが素敵な暮らしの第一歩のように思います。

これから計画される方は是非、建物自体の性能を高くして、高効率の機器をひとつだけで実現できる家中暖かい暮らしを手に入れて下さい。

間違っていけないのは設備機器で家中を暖めるのが一番の手法ではないということです。まずは高性能を確保して窓から入るお日さま熱のだけでも暖まる建物にしておくことです。夜や晴れていない日に足らない分を機械やエネルギーを使って補足する、これが基本です。

七草

   写真はドングリから芽が出た苗の(たぶんクヌギ)若芽

もう三年前になりますが

「日本の住宅、なぜさむいの?」という記事があります。以下コピペです。どうぞご一読ください。(2015/1/6付 日経新聞[エコノ探偵団])

日本の住宅、なぜ寒いの? 

「家は夏をむねとすべし」浸透 低い「燃費性能」我慢続く

 「今日は寒いですねー」。近くの中学校で英語の指導助手をしているカナダ人大学生が探偵事務所を訪ねてきた。「日本は家の中でも寒いので、冬の生活はカナダよりも厳しいです」。「えー、本当かしら」。探偵の深津明日香が立ち上がった。

 明日香は主な都市の1、2月の平均気温を調べた。東京はパリに近く、仙台はニューヨークやベルリン並み。もっと寒い長野はプラハ、青森はストックホルムとほぼ同じ水準だった。「なぜ、日本の家が特に寒いのかしら」

 早稲田大学教授の田辺新一さん(56)を訪ねた。「日本には断熱(内外の熱の出入りの遮断)の考えがなく、冬に寒いのは当然と我慢して住んできたからです」。示された資料を見て明日香は驚いた。家庭1世帯あたりの年間エネルギー消費量を国別に比較したもので、暖房用は欧米諸国が日本の4~6倍、韓国も2倍以上使っている。

 「家全体を冬中暖める欧米と、コタツなどで暖を取る日本の違いのほか、寒さは我慢するしかないと思っている人が多いのです」。近畿大学建築学部長の岩前篤さん(53)が説明した。住宅技術評論家の南雄三さん(65)も「日本の家の暖房は省エネ以前の段階です。もっと暖めた方がいい」と強調する。

 「家の性能はどうかしら」。調べると、壁や窓などの断熱性能を国が省エネルギー基準で地域別に規定している。ただ、義務ではなく目安にすぎず、基準以下の家も建てられ続けているとわかった。

緩い断熱性能基準

 明日香は外国の状況も調ベようと、ドイツの住宅に詳しい日本エネルギーパス協会(東京・港)代表理事の今泉太爾さん(36)を訪ねた。「暖房費が多いドイツは省エネのため、新築住宅に対する断熱の義務基準を段階的に強化し、日本の基準との差が広がっています」と説明する。

 特に性能差が大きいのが窓だ。冬に屋外へ流出する熱の半分が窓からとされる。断熱性能を示す熱貫流率(低いほど高性能)をみると、日本では2.33以下を最高性能と認定し、売れ筋のアルミ複層ガラスは4以上。一方、ドイツは1.3超を使用禁止にしている。欧米だけでなく、近年は韓国や中国でも日本より高性能の窓が売れ筋という。

 EU各国では家の売買や賃貸の際、室内を快適に保つのに必要なエネルギー消費量、つまり「家の燃費性能」の表示を義務付けている。「車を購入する際には燃費性能を重視するように、家も燃費を考慮して選ぶのです」と今泉さん。断熱工事に費用をかけても、将来の暖房費削減(燃費向上)で元が取れるため、ドイツでは既存住宅の断熱改修も進んでいるという。

欧米は室温規制も

 「暖房使用が極端に少ないうえ、性能は低い。日本の家が寒くて当然ね。でも、なぜ変わらないのかしら」。明日香は住環境計画研究所(東京・千代田)会長の中上英俊さん(69)を訪ねた。「欧米と違い、日本の家は暖房費に削減の余地がなく、コスト回収できないので特に既存住宅で断熱が進まないのです」

 東大准教授の前真之さん(39)にも聞くと、吉田兼好の『徒然草』の有名な一節「家の作りようは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる」の影響を指摘した。「アフリカで進化した人間は暑さより寒さに弱い。家はまず冬を旨とすべきです」。しかし、日本では建築関係者にも「夏旨」を信奉し、断熱を嫌う人が少なくないという。

 「夏に涼しい家で冬は寒さに耐えるのが日本の伝統ってわけね」。事務所でため息をつくと、何でもコンサルタントの垣根払太が助言した。「健康への影響を調べたら」

 明日香が調べると、欧米では健康への配慮から住宅の最低室温を規制する国が多い。英国は冬季の室温としてセ氏21度を推奨し、16度以下は「呼吸器疾患への抵抗力低下」などと規定。家主に改修を命じることもある。他方、日本では店舗や事務所などの室温を17~28度に保つ法規制はあるが、住宅は対象外だ。

低温は万病のもと

 明日香が再び岩前さんに連絡を取ると「健康に対する寒さの影響は大きく、室内の低温は万病のもとです」と指摘した。例えば急激な温度変化で体調が急変する「ヒートショック」。入浴中の事故死だけで年間1万9千人以上と推計され(厚生労働省研究班の昨年春の報告)、交通事故死の4倍以上だった。

 北海道大学教授の羽山広文さん(59)によると、外気温が下がる冬季は疾患などで高齢者の死亡が増えるが、外気温低下と自宅死亡率の相関関係は西日本で高く、北海道は最も低かった。その理由は「家の断熱性能が低い地域は室温も下がり、高齢者の体に悪影響が及ぶのに対し、断熱化が進んだ北海道では室温が維持されるためと考えられます」と羽山さん。

 「北海道の家は冬も暖かいというけど、健康にもいいのね」。明日香は健康への効果も考慮した断熱工事の費用便益分析を慶応大学教授の伊香賀俊治さん(55)に聞いた。「便益が光熱費削減だけでは回収が長期になりますが、健康が保たれて払わずに済む医療費や介護費を便益に加えれば、数年で元がとれます」

 「健康のため、冬暖かい家は世界の常識です」。明日香の報告に所長は「わしの健康価値を考えれば、うちを改修しても元はすぐ取れるな」。

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