2016 ブログ/コラム

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2016年つぶやきコラム

霜降

10月23日「そうこう」

九月中 (長月:ながづき)

太陽視黄経 210 度

つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへ也(暦便覧)

北国や山間部では、霜が降りて朝には草木が白く化粧をする頃。野の花の数は減り始める、代わって山を紅葉が飾る頃である。

とありますが、まだそんな感じがしない今年の季節の移ろいです。

先週訪れた京都でもまだ紅葉は始まったばかりでした。

先週はあっちへこっちへ忙しくさせていただき、23日(日)が「霜降」でしたが、やっと思い出し今日の投稿になりました。この一週間のこと記録もかねて書いておきます。

霜降

18日(火)

博多駅で新幹線を待っていたら、突然現れたドクターイエロー!!鉄子ではないのですが、さすがに小躍りして写真撮ってしまいました。

午後に京都入り、PassiveHouseJapan でお世話になっている夏見工務店さんの現場へ案内していただきました。設計が札幌のフーム空間計画工房の宮島さんという事で、ぜひとお願いしたのでした。空設計工房が気密断熱計画換気をベースにして、小さいエネルギーで快適な住まいづくりをしていこうと決めた元が、この宮島さんと会いレクチャーを受けたことからだったのです。二十数年前の話です。なんという巡り合わせでしょう。変わらぬ作風に懐かしさを覚えました。夏見さんには工事のご苦労と工夫をうかがい、丁寧な現場を見せていただき勉強になりました。一条の虎屋菓寮でお茶をして、もう一軒見せていただいた後、八条の小料理屋さんで丁寧な京料理もご一緒しました。

霜降

19日(水)

「エコハウスマイスター養成講座」の講師として丸谷先生に呼んでいただいたのが、京都行きの本命でした。2コマ分お話しさせていただきました。夕刻からの懇親会は、先斗町の「花柳」というお店で京懐石。鴨川沿いのお部屋でしっとりした雰囲気でおいしくいただきました。現地の工務店のかたもいらっしゃって、京都ならではのお話しも楽しかったです。狭い間口でぎっしり並ぶ先斗町の路地から玄関を入り上がって曲がって登って曲がってとお部屋までの長い廊下を歩きながら、火事にあったら助からないかもという思いが頭をかすめまいした。

20日(木)

エコハウスマイスター養成講座の実技講座という事で京都の様々な建物見学が組んであります。とても内容がいいのでお願いして一緒に回らせていただきました。

・秦家住宅 http://www.hata-ke.jp/index.html 

  幕末の大火で焼失後明治2年に建てられた京町家、実際にここで暮らしていらっしゃる奥さまから、生活のこと地域のことなどなどお話しをうかがい、お料理本も出していらっしゃるほどのお手前、京の家庭料理をお昼にいただきました。便利が先回りした現代の住宅では考えて暮らす人が育たないのではという苦い言葉や、エアコンもないけれど夏は涼しく(実際よい風が入っていました)過ごせるけれど、冬はしもやけができ身体を悪くすると感じるほどの冷えこみで、来客の時以外は2階にいるという伝統建築に住まわれている方の生の声を聞くことができ感慨深かったです。

・角屋 もてなしの文化美術館 http://sumiyaho.sakura.ne.jp

江戸期の饗宴・もてなしの文化の場である揚屋建築の唯一の遺構の建物。建築史の本に載っていた角屋でした。「揚屋」とは今で言う料理屋・料亭にあたるものと考えられ饗宴のための施設となります。1階には数多いおくどさんのある広い台所と配膳の座敷、2階は部屋ごとに趣向を凝らした意匠の座敷がたくさんありました。かなり味付けの濃いしかし品の保たれた凝った細工がちりばめられていました。

・修学院離宮 https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/shugakuin.html

17世紀中頃に後水尾上皇の指示で造営された離宮(皇居以外に設けられた天皇や上皇の別邸)です。とても広いところです。35人グループで案内され1.5時間の見学でした。下—中—上御茶屋と登りながらそれぞれ違う趣の建物を巡り、船遊びのために作られた浴龍池を眺め、建物やお公家さんの暮らしについてあれこれ雑談をしながら散策しました。宮内庁の職員さんのガイド付きでしたが独特の抑揚とスピードでの解説が印象的でした。

霜降

21日(金)

午前中に相国寺承天閣美術館で「若冲展」を見て、大阪に移動。午後から「構造塾」に参加しました。パッシブハウスジャパンの仲間も受講していました。ごはんを付き合ってもらって、やっと帰福です。

22日(土)

住宅省エネ技術施工技術者講習講師で半日講習。

23日(日)

この日は私事です。第一孫ちゃんの七五三詣りとお祝いです。娘家族とあちらのご両親とともに楽しい一日でした。その後糸島の家に孫二人だけ預かり、大変賑やかな数時間、子どものつきぬエネルギーにまいります。

霜降

24日(月)

「構造塾」熊本地震現地における築浅木造住宅の解体調査 に参加しました。

築浅木造住宅で倒壊7棟のうち、この一棟だけ壁量計算、四分割法、N値計算が行われており、四号特例を勘違いした物件ではなさそうです。見たところ工事も丁寧でした。

22日(土)から三日に渡って内部を見ていって、また金物のサンプルを採取して持って帰られましたので、また貴重な報告が出されることと思います。楽しみに待ちましょう。形式的にクリアしたからといってそれでOKではないことがやはり垣間見えました。現場でお話を聞いて思ったのは、大きなミスがなくてもすこしずつの重ね合わせでこう言う時に大きな欠点として現れるんだなと、また気を引き締めなければと思ったことです。合間に近隣の地盤による建物の倒壊原因の建物を(株)ソイルぺディア地盤専門家に案内してもらったり、熊本市内の液状化による被害建物を見に連れて行ってもらったりと、ありがたくも充実した一日でした。みなさまお疲れ様でした。

今週も、大阪と名古屋へ行ったり来たりの忙しい週になります。

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