2016 ブログ/コラム

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2016年つぶやきコラム

穀雨 地震

 太陽視黄経 30 度

春雨降りて百穀を生化すれば也(暦便覧)

田んぼや畑の準備が整い、それに合わせるように、柔らかな春の雨が降る頃。この頃より変りやすい春の天気も安定し日差しも強まる。

 春を満喫できる季節になりましたが、大変な災害が起こってしまいました。被災された方々へは心よりお見舞い申し上げます。福岡市を通して支援物資を送らせていただきました。また亡くなられた方々へはご冥福をお祈りいたします。

 「柔らかな春の雨」であればよいのですが、最初の地震から1週間の熊本・大分の被災地には大雨警報まで出て、二次災害がおこらないよう祈るばかりです。前震、本震とも震度7というこれまでにない地震でした。こちらも震度4程度ですが揺れが結構長くまた複数回ありました。それだけでも幻震?とでもいうのでしょうか、揺れてないのに揺れているように感じたり、それらしい音に身体が緊張したりを数日間体験しました。現地では繰り返す余震にいかばかりかと同情の念を禁じ得ません。

 近隣の都市で無料開放された住宅があります、事情の許す方は揺れの続くその場所をはなれてみられるのも一計かと思います。身体も心も疲れ切ってらっしゃるでしょう。揺れを感じずに済むだけで相当楽になり今後に向けての体力も気力も快復できると思うのです。

 報道で倒壊した木造住宅が数多く見られました。奇しくも前震と本震の間の日に、「省エネマニアの構造設計セミナー」を受けていて一層気になってしょうがない事象です。

 現行の建築基準法では震度6−7で倒壊しない程度の強度を持つようにきめられているので、新しい建物については倒壊の恐れはないと考えたいのですが、少し心配があります。2階建の木造住宅程度の建物は基準法上の四号建物の特例として、耐震計算などを建築士がしていれば建築確認申請にその書類を添付しなくてよいという事があります。しかしそれを傘にきて、耐震計算をせず経験や感覚でやってしまう人らもいるようなのです。その正しいプロセスをふまずに建っている住宅は新しくても倒壊しているのです。現在のお宅に不安がある方は建てた会社に確認を入れるか、耐震診断を受けられるのが良いかと思います。

「地震に強い家の5つの条件」という広島の建築家 八納啓造氏の記事がありましたのでご紹介しておきます。

 もう一つの心配は、今回震度7に絶えた住宅でもその後は同じように安心できるのだろうか?という事です。しっかり耐震計算のもと建てられたとしても、何度もおそってくる地震は想定されていないからです。

 空設計工房では許容応力度計算こそしておりませんが、壁量の確保、壁配置のバランス、柱頭・柱客の接合方法について計算をし、性能表示制度耐震等級2以上の性能は必ず確保しており、他仕様のルールもきっちり守っております。しかし、今回の被害を目の当たりにして、耐震等級は3を普通にしよう、基礎についての計算をやっておこうと改めて思い直した次第です。許容応力度計算も勉強しなければと思います。現在進行中の案件ももう一度構造計画をみかえして、強化改善できる所は強化しておこうと思います。

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