仕事紹介

筑紫野市T邸

2009.02

筑紫野市T邸

設計期間 2008.01~2008.08
施工期間 2008.09~2009.02
構造規模 在来木造・2階建て
敷地面積 223.65平米
建築面積 67.46平米
延床面積 101.19平米
Q値(熱損失係数) 2.45w/㎡K
μ値(夏期日射取得係数)
C値(隙間相当面積) 0.34㎠/㎡
自立循環型住宅評価
エネルギー削減率 39.50%
CO2削減率 34.38%
ランニングコスト 7.5万円/年減
CASBEE 評価
すまいの環境効率 S★★★★★ BEE4.2
ライフサイクルCO2排出削減率 26%
建もの燃費ナビ
総一次エネルギー消費 118.83kWh/平米・年
34.33GJ/棟・年
年間暖房負荷 18.82kWh/平米・年
8.33GJ/棟・年

*Q値、μ値、C値、自立循環型住宅評価、CASBEE 評価についてはこちらをご覧ください

30代のご夫婦+お子さん4人家族のお住まいです。
約68坪の敷地に30坪ほどのお住まい。1階にLDKと水回り、2階にプライベートスペース、吹き抜けを含む総2階建て、と標準的プロトタイプといえるようなプランです。

●お施主さんより●
家を『買う』のではなく、家を『建てる』ことを我が家は選択し、江藤さんと工務店さんに助けてもらって素晴らしい住まいを造っていただきました。
家作りを終えてまず思ったことがありました。ホームページや本で紹介される家作りですが、その行間や写真で紹介されない膨大なドラマがどんな家にもあるということ。
さて、まだこの家に関しては赤子の私たち家族ですが、2ヶ月住んでみてこの家に関してまず思ったのが、周りの環境に右往左往されない、自分たちの生活を守ってくれる揺りかごのような家だということです。
自分たちが外に出たり、リビングの扉を開ければ、外と簡単につながれますが、それ以外の時は自分たちの時間だけがこの家の中を流れているのです。
長年住み慣れた前の家の取り壊しの際、解体の方から「基礎も、作りもしっかりしてましたよ。」といっていただき、うれしかったのですが、実際は冬は寒く、夏は暑い、押し入れはカビ臭い、いわゆる昔ながらのすきま風のある家だったのです。
ところが、この家ではもちろんそんな生活とは無縁である以上に、住み手がこの家の長所を理解しながら工夫すれば、必要以上の電気やガスなどを使わず、心地よい毎日が過ごせるだろうということに、まだおぼろげですが気づきました。
ゆったりとしたリビング。
家の中心を通るまっすぐな階段。
使い勝手のよいキッチン。
ロフト付きの子供部屋。
山小屋のようにリラックス出来る寝室。
すべての部屋が木の香りに包まれて、家族の気配が伝わる一つの空間。
細かいところに目を転じれば、戸棚や仕切りの高さがピタリときて、感心しきりの毎日です。
江藤さんには、我が家の家作りに関して、長い間いろんなご苦労をかけてきました。
すばらしいまっさらのキャンバスを作ってくださって本当にありがとうございました。
これから家族みんなで、この家とじっくりつき合っていって、私たちの家族を描いていきます。

■外観
南側に緩くのぼった丘にある分譲地、東側道路の敷地に建っています。
南側にデッキとベランダを持っています。玄関ポーチを広くとって、自転車をおいたりベンチを置いて通りを見ながらおしゃべりも楽しそうです。屋根に突き出ているのは薪ストーブの煙突です。
屋根:ガルバリウム鋼板 平葺き
外壁:色漆喰吹きつけ
建具:木製気密サッシ(ペアグラス)一部アルミ製ペアグラスサッシ

 

■外構
階段を上がるとその左側がリビングダイニングです。
フェンス・門扉:木製(杉)ウッドロングエコ塗り
パーキングロット舗床:コンクリート平板、目地:野芝
アプローチ:自然石洗い出し

ウッドロングエコを塗った木材は、雨や日にさらされて時間が経つほどに深い色に変化していきます。最後に付いた門扉に対してフェンスを比べればその差が少し現れています。

 


角に見える樽は、雨水用のタンクです。ワインの廃樽を利用しています。

 

■玄関・玄関ホール
右側には天井までの収納とカウンター付きの下足入れ、奧に見える板壁の奧には納戸があります。扉を感じさせないよう隠し蝶番を使って枠なしで取り付けています。

 

■リビングダイニング
奧のキッチンまで南に面して一続きの空間です。真ん中には吹き抜けがあります。
天井:モイスあらわし
床:杉フローリングオイル仕上げ
壁:ルナファーザー貼り

南面にはダイレクトゲイン用にフローリングとフラットで土間を取っています。
仕上げはソイルセラミックスタイルです。
床の杉フローリングには引き渡し後にご家族でオイルを塗装されました。こんなセルフビルドは工事費の節約にもなりますが、何より新しいお住まいへの愛着をましますし、今後のメンテナンスへのアプローチを楽にする事にも役立ちます。

 

吹き抜け
屋根なりの天井にはシーリングファンをつけました。薪ストーブとはセットでつけたいアイテムです。夏にも空気をそよがせて涼を取ることに活躍します。
北側の屋根面に小さくひとつだけ天窓をつけました。夏場の熱気抜きや風を取り込むのに有利に働きます。
障子窓の向こうはこどもたちのスペース。障子を開けると2階からキッチンのお母さんが見えます。

キッチンからリビングダイニングを見る

 


薪ストーブ(TON VERK社製)が土間の上に収まっています。

 

■デッキ

 

■キッチン
全てこちらで図面を引いて制作しました。

 

流しに立って左を見ると、引き戸があいていますが正面にトイレ、その手前右に入ると洗面脱衣室ー浴室となります。お風呂とプライベートスペースが近いように、階段はここへ降りてきます。

シンクカウンターはステンレス製、高さ85センチ
バックセットのカウンターは木製、高さ75センチ、お鍋やフライパンの取り回しが楽です。

 

■洗面脱衣室・浴室
高い位置に窓を設けて、隣家の視線を気にせず自然光や通風を存分に取り入れることが出来ます。ハイサイドウィンドウの光は明るく日中は照明が要りません。北側の天空光ですからお化粧にも最適です。

洗面脱衣室の床はコルクタイル貼り。
撮影のために浴室の3枚引き戸をはずしています。
浴室の床は檜製すのこ。壁はタイル張り、天井は杉板張りです。
浴槽は高野槇、普通にお手入れしていれば一般的な浴槽と同じくらい使えます。
しかも廃棄時にはゴミにならず、乾かして薪ストーブの燃料になります。
お湯につかって気持ちいい。最後までつかってしまえて気持ちいい。
木製の浴槽はお勧めしたいアイテムです。

洗面の横にも壁の厚みを利用してタオル棚をつくりました。
洗濯物干し時の一時引っかけ用にステンレスパイプを取り付けています。

 

■階段を見上げる
限られた面積の中で少しでものびのびとした空間を楽しんでもらいたいと思い、階段は踏み板だけを桁に載せる方法で視線の抜けを大切につくりました。

 

■階段を上がったところのホール=ファミリースペース

窓際のカウンターテーブルは長さ2.7m、パソコンデスクになり、勉強机にもなり、ミシン台になったり、読書タイムの拠り所にもなります。

 

■子どもスペース
まだ年齢の低いお子さん方のためのオープンなスペース、中央にロフトもあります。
将来は二つに仕切って使えるように照明のスイッチを考えています。
奧の黒い柱は薪ストーブの二重煙突。やけどするほど熱くはなりませんが、ほんわかお部屋は暖まります。

 

■主寝室
道のり的にも玄関から一番奥まった場所です。
ファミリースペースから入ってくる写真向こう側は、持ち込まれる婚礼タンスなどが並び手前左のクローゼットに続きます。
正面右側に見えるロールカーテンの掛かった上下の□は、下は押し入れ上が小屋裏収納の入り口となっています。
ベッドヘッドの杉板は棟梁が板の色目を考えて張ってくれました。